夏の終わり頃から田んぼのあぜ道や道端咲く「彼岸花」。
彼岸花には毒があるというのを聞いた事がるという方は多いのではないでしょうか??
以前、人気アニメのリコリス・リコイルのアイキャッチイラストにアニメのキャラクターが火をつけた彼岸花を咥えるシーンが描かれていました。
このイラストにファンの間で「かっこいい」と多くの反響があったようですが、冒頭で書いたように彼岸花には強い毒性があり、口にすることで中毒症状を引き起こす可能性があるために、アニメのキャラクターのように口に咥えることは絶対にしてはいけないのです。
ツイッターではアニメのキャラクターのように「真似しないように」と注意発起されていましたが、このニュースを見るまで「彼岸花に毒があることを知らない人もいるんだなぁ」と少し驚いてしまいました。
都会では彼岸花を見る機会が少なくなってきているので、この時期に咲く彼岸花をみて「真っ赤できれい!」と思ってしまう若い人やお子さんもいるのかもしれませんね。
今一度、彼岸花のことにについて知り、正しい知識を自分の子供に伝えられたらと思い、わたし自身も彼岸花について調べてみることにしました。
彼岸花(ヒガンバナ)とは?
彼岸花(ヒガンバナ)は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草です。別名は曼珠沙華(マンジュシャゲ)、学名から「リコリス・ラジアータ」とも呼ばれます。
原産地は中国大陸で、日本での分布は北海道や東北を除く日本全国です。
土手や田んぼのあぜ道、畑の隅っこや道端、線路など「人の手が入っている場所」に生育しています。
秋のお彼岸(9月)の頃に突如茎が伸びてきて、鮮やかな真っ赤な独特の容姿の花を咲かせます。その後数日で花が終わって茎だけになります。それから葉が生えてくるというなんとも不思議な植物です。
お花が白い種類もたまに見かけますよね。
彼岸花は種で増えることができません。球根で増えていくので球根がなんらかの形(例えば動物に掘り起こされて球根が移動した、球根が土からせり上がって地表に出て転がって行った、人が意図的に植えた、などなど)で移動して繁殖していったと考えられています。
>>彼岸花が見頃を迎えた観光スポットはこちらから。
彼岸花(ヒガンバナ)はどんな毒があるのか?
有毒植物として知られていて、花、葉、茎、根と全ての場所に毒があります。こういった植物を「全草有毒(ぜんそうゆうどく)」と言います。
特に球根に「リコリン」というアルカロイドの一種である毒性の強い成分が含まれています。
ただ、実は触るだけでは問題ありません。口に入れたり食べてしまうことで体に影響を及ぼすと言われていますので触ったら必ず手を洗いましょう。
昔、ばあちゃんが彼岸花を摘んできて花瓶にさしていたりしましたが、大丈夫なのかな…と心配して眺めていましたがギリギリセーフなのでしょうね!
口に入れたらいけないのでやはりアニメのように口に咥えることは絶対にNGなのです。
どんな症状を引き起こすのか?
リコリンを摂取してしまうとよだれや吐き気、下痢、呼吸困難を引き起こします。
重症の中毒の場合には中枢神経の麻痺を起こし、稀に死に至る場合もあるそうです。
先ほども書きましたが、万が一、子どもが彼岸花に触ったとしたら必ずしっかり手を洗いましょう。触ったままの手で食べ物を口に入れたら毒が侵入する危険性もあります。
子どもやペットはむやみに近づかないことが一番かもしれません。
そのほかの毒がある身近な植物
彼岸花以外にも身近に毒がある植物がたくさんあります。有名な植物をご紹介します。
見つけたらむやみに口に入れたり触らないようにしましょう。
スイセン
たまにニュースなどで見かけます。スイセンの葉をニラと間違えて食べてしまって中毒になったというの。
庭に勝手に生えた植物をニラだー!と思って食べるのすごいなぁ、と毎度このニュースを聞くと不思議なんですが(汗
スイセンは植物全体、特に鱗茎(球根)にリコリンなどのアルカロイドを含有しているので、ニラと間違えて誤食すると中毒を起こします。
福寿草(フクジュソウ)
北海道や東北・関東などの山地に自生する多年草で、黄色い可愛いお花が咲くため多くの園芸種があります。
福寿草の新芽が「フキノトウ」に似てるため間違えて食べてしまうそうです。植物全体に毒があり、シマリンやアドにトキシンを含有し、誤食すると嘔吐、呼吸困難、心臓麻痺などを起こします。重症の場合は死亡する可能性も。
トリカブト
「トリカブト」と聞くと1986年にあった「トリカブト保険金殺人事件」を思い出しますね。当時のわたしは幼い子どもだったので詳しい事件内容は知りませんでしたが、観賞用の植物で人が死んでしまうとうことにすごく怖かったのを覚えています。
事件のせいか比較的有名な有毒植物で、アルカロイドのアコニチンなどを含有。食べると嘔吐、呼吸困難、臓器不全などから死に至ることがあり、皮膚や粘膜から毒が吸収されることもあるので、素手で触ったら手洗い必須。食べたら数十秒で死亡する即効性がある大変恐ろしい植物です。
ニリンソウ、ゲンノショウコ、ヨモギ、モミジガサなどに似ているため誤飲食による中毒事故も多いようです。
まとめ
これからの時期、彼岸花がどんどん咲いていくシーズンです。
小さな子どもや彼岸花を見たことがない若い人は真っ赤で妖艶な彼岸花に魅力を感じるかもしれませんね。知っている人がしっかり説明して近づかないように注意をしましょう。
また身近な植物にも危険が潜んでいます。これからシーズンになるキノコ狩りなども素人判断では危険です。必ず専門家の方と一緒に行きましょうね!!
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